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ブロックチェーンに興味が湧いた文系読者へのおススメ本!


数年前から、架空の暗号通貨「レークス」が登場する近未来SFを書いています。(『BUG 広域警察極秘捜査班』『暗号通貨クライシス BUG広域警察極秘捜査班』(ともに新潮文庫NEX))。


取材を兼ねて、神戸のアイクラフト株式会社さんの勉強会にもお邪魔し、ブロックチェーンの基礎について学ばせていただいておりました。

ブロックチェーンという技術を、完全に理解したとはとても言えませんが、その発想の斬新さには驚かされます。

私はもともと、金融機関のシステム開発を行っていたシステムエンジニアでもあり、クライアントサーバー型のシステム開発なら経験があるのですが、ブロックチェーンには、中央集権的な「サーバー」が、そもそも存在しないというのです。台帳を関係者みんなで持ち合うことで、管理者的な存在が必要なくなるという画期的な仕組みです。

ブロックチェーンをご存じの方なら、「今さら何を」と思われるでしょうが、古いタイプのエンジニアである私にとっては、

「データベースがないのに、どうやってデータを処理できるんだろう」

と、そこから疑問がわくわけです(笑)

しかし、このブロックチェーン、暗号通貨だけでなく、すでにさまざまな分野で活用されているようです。 先日は、防衛技術に関する雑誌を読んでいたら、スウォームという新しいタイプのドローン兵器における、ブロックチェーン技術の採用が記事になっていました。

思いがけない場所でも、実用化されているようです。

さて、ブロックチェーンに興味をお持ちの(日本の)皆さまに、ぜひお勧めしたい本があります。

『ブロックチェーンという世界革命 価値観を根本から変えるテクノロジーの正体とは』(神里達博、河出書房新社)です。

なぜこの本をお勧めするかと言いますと、どちらかと言えば、コンピューターについてあまり詳しくない、これまで興味を持たなかった方を対象に書かれているからです。コンピューターの歴史から説き起こし、その流れの中でブロックチェーンとはどのように位置づけられるのか、解説されています。数学やコンピューターの知識がなくても読みやすい本ですので、ご興味をお持ちの方はぜひ探してみてくださいませ。



 









福田和代(ふくだ・かずよ)


金融機関における19年間のシステム開発の経験を経て、2007年に航空謀略小説『ヴィズ・ゼロ』(青心社)で作家デビュー。社会的インフラに関する小説や、ミリタリー、警察小説など硬派なジャンルから、航空自衛隊の音楽隊を舞台にしたミステリー『碧空のカノン』(光文社)シリーズなどのソフトなジャンルまで、多岐にわたる作品を発表。現在は作家業のかたわら、「デジタル・ケイブ」で本と読者を結ぶ活動も続けている。


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